お腹の働きの成り立ちを知ろう!

わたしたちの消化管は、「食べる」ための器官と「消化吸収」の器官と排出のための「器官」の3つに分かれます。 この3つの器官の特性の違いとつながりをよく知ることによって、自分のお腹の調子に自覚的に向き合えるようになります.


消化吸収を成り立たせている3つの分業


食べるための器官は、口から食道、胃までの領域です。胃の出口に「幽門」と呼ばれる充実した筋肉組織があります。胃のなかには噛んで咀嚼しただけの固形物がはいってくることがすくなくありませんが、この幽門より先は粥上になった流動物しか通ることはできません。

胃のなかでは強い酸性のなかでペプシンが活性化します。これによって固形物は化学的に消化されます。そのために胃のなかでは激しく攪拌作用が働きます。また強い酸から胃の表面の細胞をまもるために粘液が分泌されます。

胃のなかで有害異物が見つかると嘔吐の反応が起こり、胃の内容物は吐き出されます。逆にいったん幽門を通り過ぎたものは下すことはあっても基本的に吐き出されることはありません。例外的に急性膵炎などで胆汁が吐瀉物に混じることがあります。このようなときは速やかに病院を受診しなければなりません。

腸の様子02a


幽門の持つ大きな役割


このように幽門は、食べるための器官と消化吸収の器官を分ける重要な関門になっています。幽門を通過した食物は十二指腸に入ります。十二指腸では膵液や胆汁が分泌されてタンパク質や脂質が分解されます。

十二指腸の末端はトライツ靭帯によって脊柱の方にけん引され全体が一つの袋のように作用します。ここで胃酸によって酸性を帯びた食物とアルカリ性を帯びた膵臓の消化液がまじりあって中和されます。 十二指腸は酸に対する耐性がないので、膵液による中和がうまくいかいときには、幽門をとじさせるような局所ホルモンを分泌します。

このようにして幽門が開かなくなると、食べたものが胃につかえて降りていかないような感じが起こります。幽門が閉じると胃の上側の口(噴門)が開くという反射があって、このようなときには胃酸の逆流が生じやすくなります。

げっぷがしたくなるときも幽門の緊張が関わっていることがあります。幽門は強固な筋肉組織で、食べ物の流れや消化管の運動の妨げとなってしまうことも多いのです。この幽門の働きに関係する脊髄神経の反射点として漢方医学で記載され来たツボが「膈兪(かくゆ)」です。


消化吸収の器官


消化吸収の器官は十二指腸からはじまって腔腸、回腸とつながって大腸へとつながる回盲弁へと至ります。ここでは様々な消化酵素による化学的消化と、腸壁の表面の細胞(腸管上皮細胞)でおこなわれる膜消化の二つを通じて食べ物が小さく分解されて体内に取り込まれます。腸内細菌の働きも重要になります。

消化管と脊柱の関係01a

排出のための器官は、大腸から肛門にいたる領域で、肛門に近い領域はある意志によるコントロールが働くようにできています。この意志によるコントロールは、赤ちゃんのうちはうまくできません。成長にともなって発達して、社会生活上重要な意味を持ってきます。


お通じをつくる消化管の運動


お通じは、大腸の働きによって起こります。大腸の運動は肛門に近いごく一部をのぞいて大半が自律神経によってコントロールされています。意志の力でコントロールすることができません。

意志によってコントロールすることができるのは直腸から肛門にいたる領域で、通常、お通じを我慢するためのものです。お通じがないときに、思わずトイレできばっても、この領域に緊張が生ずるだけで、かえって自然な大腸の運動を妨げてしまうことになります。無理に、きばっると、かえってお通じを遠ざけてしまいます。

大腸の大半は意志のコントロールが及ばない領域なので、お通じを我慢するにも限度があります。そもそも「我慢したり」「きばったろ」で、コントロールできるならお通じの悩みは生まれません。大切なことは、お通じの背景となる消化管の働きをよく理解して働きかけることです。


自律的でゆったりしている蠕動運動


大腸の蠕動運動はとても自律性に富んでいますが、このことは消化や吸収、排泄に関わる消化管全般に当てはまることです。消化管は全体が一歩の管のような形をしていて、ところどころくびれと袋状の広がりがあって、口腔、咽頭、食道、胃、十二指腸、腔腸、回腸、上向結腸、横行結腸、下向結腸、S状結腸、直腸、肛門に分けられます。

「食べること」「出すこと」、つまり消化管の入口と出口については、意志によるコントロールができます。できなければ社会生活に支障を来たすからです。しかし、他の領域は意志によるコントロールができません。

ある場所で収縮が起こると隣り合わせの領域が引っ張れ、引っ張られた領域が反発して収縮して、また隣り合わせの領域を引っ張る、といったように連鎖反応を起こして消化管全体に運動が連鎖してゆきます。

これは消化管の筋肉が無数の筋繊維が結び合った網目状の組織になっているためです。

消化管の表面は上皮性組織と呼ばれる細胞の敷き詰められたシートでできています。この中に消化液を分泌する「消化腺」が分布しています。これらを包むように筋肉組織がおおっていて、ゆったりと自律的な運動を続けています。

そうすることで、食べたのも野をすりつぶしたり撹拌して消化酵素とよく混ぜ合わせて、最後は消化管表面の表皮性組織に擦り込むようにして膜による消化を助けているのです。

広大な腸の内壁を余すところなく活用してしっかり栄養を吸収するために重要なはたらきです。


腸を修復するための睡眠


消化管の表面は、身体の中でも、日々もっとも損傷の多いところです。

なぜなら食べ物を消化するために一日20リットルもの消化液が分泌されます。大人の糞便が、皮膚に痒みやタダレを引き起こすのは、この消化酵素のためです。しかも、消化管の内壁は皮膚(外皮)のように角質層に覆われていません。消化吸収がしやすいように柔らかな細胞表面がむき出しの状態になっています。

消化管を多く上皮性組織には神経が分布していないので、痛みや不快感を感ずることはありませんが、じつは日々たいへんな損傷を受けながら消化吸収の仕事に従事しているのです。

このため、消化管の表面の細胞は、人体の中でもっとも活発に細胞分裂をおこなうところです。そのペースはテニスコート一面分に相当する腸の内壁の細胞がたった4日間ですべて入れ替わるるほどです。日々の睡眠は、消化管の再生のためにとても重要な時間なのです。

睡眠の時間がどのように腸の新生に活用されるかを知っておくことは、腸の健康のためにとても重要なことです。


明け方の細胞分裂のための綿密な準備


腸壁の細胞は、睡眠中のべつ幕なしに細胞分裂をしているわけではありません。

まず免疫系の細胞が腸内をパトロールして損傷している細胞を探り出し、これらの細胞を排除してゆきます。この期間中、腸はぐるぐると活発に運動を続けます。これは、腸内に新生のための酸素と栄養分を供給する重要な意味をもっています。

このとき重要なこととして、胃のなかに食べ物を入れておかないということがあります。消化管の連鎖的な運動(蠕動運動)にとって、胃のなかに留置された食べ物は大きな重石として作用します。腸の蠕動運動を抑制し、腸内に新生のための酸素と栄養分を供給をストップしてしまうのです。

睡眠中の6~8割の時間、腸は蠕動運動を繰り返しているといわれます。死んで脱落していく腸壁の細胞は、便の2割にも相当します。

このような作業が滞りなく進行した上で、起床前の時間帯に甲状腺の成長ホルモンがピークを迎えるのを境に一気に細胞分裂が活発化するとされています。

太陽からの紫外線などの脅威のない時間帯に細胞分裂をすることは、多くの生物の共通のルールです。

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睡眠が、腸の健康のため、さらには自律神経のバランスや美容のためにいかに重要かがご理解いただけると思います。

当院の施術は、このような観点から、消化管の運動に関わる自律神経の状態をと整え、睡眠の質の改善を図ってゆくという観点から作られているのです。

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